original ring

黒い指輪

化粧と守護

Black titan

装飾とは

ひとがそもそも身体に装飾、化粧をするようになったのは、もとをたどれば魔除けに始まると言われています。 血の色を神聖な色として、顔に魔除けの意味を込めて塗ったのが化粧の起源。出土した「はにわ」にも赤い化粧が残されています。 指輪にも意味があったのでしょう。 それをひとは伝え続けてきた。 契約的な意味あいから、富の象徴などに変わった時代を経て、現在は。 結婚相手から贈られるのが結婚指輪なら、結婚が頓挫して指輪は存在価値、存在理由を失うでしょうか。 ひとの気持ちがものの意味を決定しているのは確かです。 そして、結婚というゴールはなくなりはしたものの、あとから後悔の念にかられて、贈られた指輪を捨てた本人がまた職人のところへ行き、制作をリピートしてもらう。 そんな指輪の意味とは。

発掘された古代のアクセサリーの起源 資料古代の装身具

指輪の起源

古い時代には、輪あるいは環は栄誉、喜びを表わすしるしのひとつでした。木の枝、葉、花で編んだ環には力が宿るとしていました。日本の七五三でも3歳の子の成長を祝う風習があるように、古代ギリシャ時代にも、3歳の子どもにも禍から護る意味の花環で飾る開花祭がありました。
勝利した戦士に月桂樹の葉で編まれた環を冠として授けられたのは、清める意味がこめられていました。

円とは

円はぐるっと一周して自分に回帰する形であり、中心点から等距離にある線が連なったものであるから、前もうしろもなく、始まりも終わりもない、永遠の象徴とされました。無限に続く、最もシンプルな純粋なモチーフとして宇宙の表現と重ね合わされました。円はあらゆる幾何学的な図形を内砲し、円からすべての図形を形づくることが出来、宇宙の万物を生み出す象徴とされていました。

結びつきの象徴の指環(指輪)

指環を権利の象徴から、忠誠、結びつきの象徴としても絵画に表わされています。修道女の指環には、キリストとの魂の結びつきとという結婚の象徴でした。司教の指環は信徳の標徴であったり、司教が神と結婚する教会の花婿を示すという解釈もありました。
教皇だけがはめることを許される指輪「漁夫の指環=教皇指環・教皇封印」というものがあります。漁師だったペトロの後継者という意味です。これは現代まで受け継がれています。